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ピアノレッスンでの大人、親の気になる練習時間

子供から大人の方までレッスンを日ごろしていますが、そのなかでよく聞かれる練習時間や練習の仕方などは皆さん関心がある話題の一つだと思います。 練習時間は皆さんどのくらい楽器を弾いているでしょうか? 子供さんと比較して日ごろ仕事をしている大人では当然自由に使える時間数は異なりますので、同じような数字にはならないと思います。

まず子供さんの場合は、使っている教材や進度によって変わりますし、その子の自分でできること、自分で工夫できることが多い場合は練習する内容も自分で増やしたりできますので少し長い分数弾くことができるかもしれません。分数と記しているように単位は分数でいいと思います。 10代なかごろまでは集中力や体力などの要素もあります。間に休憩を挟まずに2時間、3時間と続けるやり方は効率の面でも良くないように思います。だらだらと集中していない状態で音を出している時間が1時間、2時間と経過することが目的になってしまうよりはきちんと休憩を挟んで、40分弾いたら20分くらい休みを入れるなどして練習することをお勧めします。

大人の場合はお仕事がある日と休日で自由に使える時間が変わりますよね。お仕事がある日は仕事帰りに休憩してから15分とか30分くらい弾けるといいのではないでしょうか。休日には、まとまって1時間弾けるときや、ちょっと練習がはかどって時計を見てみたら結果的に1時間弾いていたということもあるでしょう。これが一番望ましい練習だと思います。 練習に集中できる自分の体調に合わせてまとめて1時間できるときと、お仕事など疲れているけど20分くらい弾いてコーヒーを飲みながら休憩を挟んでこれを2,3セット繰り返すというように自分の集中できる状態に合わせて工夫できると思います。

戻りましてお子さんの場合はいろいろな要素があります。よくあるご相談として、ピアノのほかにも習い事をしてスポーツの試合なども土日に入ってきたり割とやることが多いため、まとめて時間が取れないという場合も現代では珍しくありません。もちろん学校の宿題も大切ですので夕方何時に宿題の時間と決めて終わらせましょう。お子さんの体調によって集中できる分数が変化することも含めて考えてあげる必要があります。

ひとつの曲を自分で止まらないで弾けるようにすることを最初の目標に、なるべく時間をかけないでできることを考える場合、まず右手、左手と片手の練習をする日、いきなり両手で弾いて途中でひっかかってもとりあえず最後まで弾く日と分けてもいいでしょう。一度の練習で5回弾くのにかかる分数は合計して5分から15分くらいかと思います。(なお低年齢でも6歳と12歳では自分でできることは大きく異なります。6歳でもできることとして考えると一日の生活のなかで5分から10分は工夫して時間を作れると思います。)

練習は自分で楽譜を読むことの積み重ねる結果、楽譜を読むために必要な脳の使い方が少しずつ定着していきます。また手を使って鍵盤を押すので手先を動かす筋肉や神経の発達になるでしょう。たまに弾くという間隔よりも、毎日でも月曜、水曜、金曜と1日おきでもとにかくピアノに触れている回数は多いほうが自分の手先を動かそうとする脳のはたらきが良くなって、手先も器用に使えるようになります。すると数週間後にはレッスンで弾いている曲がはじめは止まりながら弾いていた状態が、段階を経て時々は止まらないでも弾けるように変化していきます。

指の動きが「動作記憶」として脳に定着すると曲の長さや音符の多さにもよりますが、はじめは1曲通して弾くのに5分くらいもかかっていたところが、毎日10分くらい弾いていたら6日後には少なくとも数分短縮できて途中で止まる回数もだいぶ減り、通したら2分ちょっとで弾けるようになっているというのは動作記憶が深く定着した結果、止まらずにすらすらと弾けて上達していると感じられると思います。 

練習時間というのは長く弾いていればがんばって練習しているということではなくて、練習の内容、質で大きく変わってきます。 外から見たら数分弾いている子とがんばって毎日20分弾いている子どちらも楽器に触れていてほほえましい光景ですが、親からするともしかしたらたった数分しか触っていなくて何か上手になっているの?と思ってしまう場合もあるかもしれません。

内容によってもその判断は変わりますので、少ないかなと感じる場合は夕方にでももう一度声をかけて「夕食まで少し時間あるからまたピアノでも弾いたら?」とうながしてみるのもひとつの手だと思いますが、声をかけるのは何度もしつこく重い腰を上げさせるためにするのではなくて一度だけにしましょう。 何度も繰り返すと子供には「親はピアノを弾かせたいのだろう」とその意図を読まれて、ごり押しを何度も重ねますとある時からかたくなに弾かなくなります。 練習頻度や1日の生活にどこに練習を組み込むか工夫はいろいろできると思います。

小学生頃までは本人が望んで止めずに弾いている場合を除いて、2,3時間はやりすぎだと思います。多くの場合は長くても3,40分くらいで十分でしょう。特に小学生、中学生の時期は体の成長も考えてあげる時期だと思いますので、一緒に出掛ける、お友達と遊ぶことも大切だと思います。 通して止まらないで弾くと1分少しの曲を3,4週後も10分かけて弾いていたら効率のいい練習をしているとは言えないと思いますので、練習方法を変えたり先生とも相談が必要だと思います。